全国でストーカーやドメスティックバイオレンス(DV)による重大事件が相次ぐ中、富山県でもストーカー被害が深刻化しています。
2025年10月末時点で認知されたストーカー事案は157件と、過去最多のペースとなっています。
こうした状況を受け、富山県警は11月7日付でストーカー・DV対策の「司令塔」となる幹部を新たに配置。
迅速で一元化された対応を目指し、対策を大幅に強化しています。
富山県警が「司令塔」設置で対策強化
富山県警は、ストーカーやDVといった人身安全関連事案に対応するプロジェクトチームの「司令塔」として警察幹部を任命。
これにより、これまで生活安全部が担っていた被害者保護と、刑事部が担当していた事件捜査を一元化し、より円滑で迅速な指揮命令体制が整備されました。
人身安全・少年課の藤岡剛課長は、「指揮命令系統を明確にし、全庁一丸となって人命を守る体制を構築する」とコメント。
12日には行政や児童相談所などの関係者向けに研修会も行い、地域全体での連携強化を図っています。
※画像はイメージです。

「司令塔」設置の背景と全国の動き
今回の取り組みは、2025年4月に神奈川県川崎市で発生した、警察に相談していた女性が元交際相手に殺害された事件を契機に、警察庁が全国の警察本部に幹部配置を通達したものです。
これまで、被害者支援と捜査が別部署によって進められていたことで、対応の遅れや情報の断絶が課題となっていました。
「司令塔」の設置によって、ストーカーやDV事案に対してより迅速で的確な対応が可能になると期待されています。
富山県の現状
富山県警によると、2025年10月末時点でのストーカー認知件数は157件に達しており、これは過去最多のペースです。
背景にはSNSや通話アプリなどデジタル手段を利用した付きまとい行為の増加があり、従来の枠組みでは対応しきれないケースも見られます。
県警は「安全確保を最優先とした対処に万全を期す」として、「司令塔」体制の下で、警察内部のみならず行政・相談機関との連携を強化していく方針です。
ネット上での反応と声
ネット上では、今回の富山県警の「司令塔」設置に対して、様々な意見が見られます。
・「やっと本腰入れた感じ」
・「川崎の事件の教訓が活かされてよかった」
・「地方でも対策が強化されて安心」
・「全国レベルで徹底してほしい」
一方で、
・「もっと早く取り組んでほしかった」
・「警察に相談しても安心できないという不安はまだ残る」
といった厳しい意見もあり、信頼回復に向けた継続的な取り組みが求められています。

まとめ
富山県警の「司令塔」設置は、ストーカーやDVといった人命に関わる問題に迅速に対応するための大きな1歩です。
過去の痛ましい事件を教訓に、指揮命令系統の明確化と関係機関との連携が強化されることで、被害者の安全がより確実に守られることが期待されます。
今後も1人1人が関心を持ち、異変に気づいたらためらわずに通報・相談する社会づくりが求められます。

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