2024年12月、11年ぶりのJ2復帰を果たしたカターレ富山。
しかし、シーズンが進むにつれチームは勝てない状態が続き、現在はJ3降格圏に沈んでいます。
クラブ史上最高の収益を記録しながらも、ピッチ上では思うような結果が出ない。
このミスマッチはなぜ起きたのでしょうか?
当記事では、経営と戦術のギャップや、監督交代の舞台裏などについて迫ります。
「経済力はあるのに勝てない」カターレ富山の不振の理由とは?
カターレ富山の左伴繁雄社長は、不振の原因について次の2点を挙げています。
1つ目は「攻撃的サッカーへのモデルチェンジに時間が掛かってしまったこと」。
そして2つ目が「攻撃を上乗せする意図が、逆にこれまでの強度を損なう結果になってしまったこと」です。
プレイオフを経て昇格を決めたことで準備期間が約3か月と短かったのも要因です。
開幕から14人の新加入選手とともにスタートしましたが、連敗が続きました。攻
撃スタイルへの転換はチーム全体に混乱をもたらし、フィジカル面や連携面の課題も浮き彫りになりました。
加えて、安達亮監督のもとで期待されていた選手たちが、シーズン途中で次々と移籍。
・碓井聖生選手(FW)→アビスパ福岡
・武颯選手(FW)→テゲバジャーロ宮崎
・ガブリエル エンリケ選手(MF)→ヴァンラーレ八戸
・鍋田純志選手(DF)→レイラック滋賀FC
・酒井崇一選手(DF)→AC長野パルセイロ
このように、戦力維持にも失敗し、戦術浸透も遅れる悪循環に陥っています。


苦境の中での監督交代と安達亮監督の「覚悟」
成績不振を受けて、クラブは2025年5月に監督交代を決断。
小田切道治監督から、J1横浜F・マリノスでアシスタントを務めた安達亮氏へバトンタッチされました。
安達監督は「攻撃的なスタイル」でチームを変えることを目指しましたが、直後に主力の移籍が続出。
自身が構想していた布陣が瓦解し、思うような試合運びができない状況に。
それでも安達監督は、熊本戦後のサポーター前で「解任されても構わない。ただ、応援を続けてほしい」と語り、真摯な姿勢を見せました。
自身の非も認めつつ、責任を全うしようとする姿勢は、サポーターの間でも大きな話題となりました。
残り10試合、カターレ富山に残された希望とは?
現在、J2残留圏の17位とは勝ち点6差。
熊本戦での0-1の敗戦を含め、6試合連続未勝利と苦しい状況です。
それでも、キャプテン吉平翼選手は「俺らだって絶対勝ちたいよ。簡単に手放したくないよ、J2を」と、ゴール裏のサポーターに熱い思いを吐露。
「苦しいときこそ、1つにならないといけない」
この言葉には、選手たちの本気度と、再起への希望が詰まっています。
一部のサポーターからは「若手や勢いのある選手の起用を」との声もあり、戦術だけでなく人選による変化で流れを変える可能性もあります。
ネット上での反応と声
ネット上では、
・「安達監督の覚悟に胸を打たれた」
・「選手の本音が聞けてよかった」
・「もう1度信じて応援したい」
といったポジティブな意見がある一方で、
・「戦術のミスリードが致命的」
・「戦力流出を止められなかったフロントの責任」
といった厳しい声も上がっています。
特に、J2に定着するには「クラブ全体の一体感と継続性」が必要だという意見は多く、今後の動きが注目されます。


まとめ
経済力はある。
しかし戦術転換と戦力流出により、ピッチ上では結果が出ない。
監督、選手、サポーター、それぞれが苦しみながらも、J2残留という共通目標に向かっています。
安達監督の「俺が去っても応援を続けてくれればいい」という言葉は、その全てを象徴しています。
今こそ、クラブを信じ、共に前へ進む時。
残り10試合、カターレ富山の逆襲に期待したいです。
当記事は以上となります。




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