富山地方鉄道を救うか?:公費投入と新鉄道運行会社設立の可能性を探る

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経営難が続く富山地方鉄道(通称:地鉄)に対して、富山市が大規模な再構築策を打ち出そうとしています。

2025年9月、藤井裕久市長は市議会で「再構築事業には多額の公費投入が想定される」と発言。

その条件として、地鉄が保有する遊休資産の処分や株主優待制度の見直しなどに踏み込む考えを明らかにしました。

官民一体となった新たな運行会社の設立も視野に入れており、今後の地鉄の行方が注目されています。

目次
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地鉄の経営状況と再構築が求められる背景とは

富山地方鉄道は、富山県内を走る重要なローカル交通インフラでありながら、少子高齢化やマイカー依存の高まりを背景に利用者が減少。

特に不二越・上滝線などは収益性が低く、車両や線路の維持に多額の費用がかかっています。

富山市は、これまでの上下分離方式を一歩進め、行政がインフラ維持を担い、地鉄が運行のみを担う「みなし上下分離方式」を軸に再構築事業を検討しています。

富山市長が示す公費投入の条件

藤井市長は市議会で、公費投入には明確な条件が必要であるとし、次の3点を提示しました。

1.経費の徹底的な削減:業務の効率化や人件費見直しによるコスト削減

2.遊休資産の処分:使われていない土地や施設を売却・活用し、財源確保に努める

3.株主優待制度の見直し:過剰な優待による収益圧迫を避けるための改革

    これらの取り組みを進めたうえでなければ、市として公費を投入する正当性がないと強調しています。

    新鉄道運行会社の設立案とその可能性

    藤井市長はまた、「官民一体の新たな鉄道運行会社の設立の是非についても検討を行う」と述べています。

    これは、現在の地鉄の運営体制では持続可能性に限界があるとの認識から、民間ノウハウを活かしつつ公共性も担保するハイブリッドな経営形態を模索するものです。

    このような事例は、北海道や九州などの地方鉄道でも見られており、成功事例もあれば課題も山積しています。

    富山市がどのようなモデルを採用するかが、今後の交通政策に大きく影響を与えるでしょう。

    ネット上での反応と声

    ネット上では、市民や鉄道ファン、株主などから様々な意見が飛び交っています。

    ・「遊休資産の処分は当然。経営を立て直すなら必要な措置だと思う」

    ・「優待制度がなくなると困る。小口株主への配慮は必要」

    ・「新しい運行会社には期待。行政と民間の両方が関与することで透明性が高まりそう」

    ・「地元の足として地鉄は欠かせない。利便性の向上を第1にしてほしい」

    市民の意見を丁寧に汲み取りながら、今後の施策を進めていくことが求められています。

    まとめ

    富山市が地鉄再建に本腰を入れたことで、地域公共交通の未来が大きく動き出しました。

    公費投入の条件を明確にすることで、地元企業である地鉄にも改革を迫る形となっています。

    新たな運行会社の設立やまちづくり投資との連携など、単なる交通インフラの再建にとどまらない展開も期待されます。

    今後は市議会での議論や市民との対話を経て、具体的な施策が決定されていく予定です。

    当記事は以上となります。

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    この記事を書いた人

    当サイトでは主に富山県内の話題を扱っています。

    筆者は富山県出身&富山県在住。

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    写真の撮影をしており、撮影の対象は選手やチア、綺麗な風景です。

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