北陸新幹線の敦賀開業をきっかけに、富山県高岡市の「新高岡駅」周辺では、週末を中心に駐車場が常に満車という状況が続いています。
観光需要の回復と新幹線利用者の急増が重なり、市営駐車場では車を停める場所がないという事態に。
当記事では、なぜこのような問題が起きているのか、高岡市の対応策とその限界、そして今後の課題などについて深掘りします。
駐車場不足の現状とは?
新高岡駅前には市営駐車場が6か所あり、合計で861台分の駐車スペースが確保されています。
しかし、9月下旬の日曜日午後2時には全てが満車。
特に、480台を収容可能な立体駐車場も1階から4階まで満車状態が続き、わずかに空車が出てもすぐに待機車両で埋まってしまう現実があります。
利用者からは、「駐車場が空いてるか不安になる」「昔はこんなに混んでいなかったのに」といった不満の声が多く聞かれ、駐車ストレスが慢性化している状況です。

駐車場不足の背景にある「敦賀開業」と「観光回復」
この駐車場不足の主因の一つが、2024年3月に開業した北陸新幹線の敦賀延伸です。
高岡市都市計画課の橘課長は、「コロナ禍が明けたことと相まって観光需要が増加した」と分析しています。
実際、北陸新幹線開業当初に策定された需要予測では、東京〜金沢間開業時に800台、大阪まで延伸時には1500台分の駐車需要があると見込まれていました。
現在の駐車台数は861台であり、予測を上回る利用者増に対して供給が追いついていないのです。
高岡市の対応策とその限界
高岡市では対策として、駐車場のリアルタイム満空情報をWebで配信する「満空情報」サイトを運用中。
利用者は事前に空き状況を確認できますが、満車時の代替手段にはなりません。
また、高岡駅前にある駐車場に車を停め、JR城端線やバス、徒歩で新高岡駅へ向かう方法も提案されています。
新幹線利用者に限り、駐車料金が7日間無料になる措置も導入されていますが、「利便性に欠ける」との理由から利用者には浸透していないのが現状です。
今後求められる抜本的な解決策
では、駐車場を単純に増やせばよいのでは?と思う方も多いでしょう。
しかし、実際には以下のような土地制約があります。
・駅北側は商業地
・駅南側は大型ショッピングセンター
・周辺の田んぼは「市街化調整区域」に指定
これらの制約により、新たな土地の取得や用途変更は容易ではないのが実情です。
橘課長も「既存の平面駐車場の立体化」などを可能性として示唆していますが、短期的な対応は難しいとしています。
ネット上での反応と声
ネット上では、下記のような声が寄せれています。
・「せっかく新幹線を使いたいのに、車を停められないのは本末転倒」
・「高岡駅前に停めてバス移動?荷物があると不便すぎる」
・「立体駐車場を増やしてくれれば解決するのに」
こうした声は、利用者目線の利便性向上を求めるものであり、行政としても無視できない状況になっています。

まとめ
北陸新幹線の敦賀開業という大きな転機を迎えた新高岡駅。
しかし、増加する利用者に対する駐車場のキャパシティが限界に達しているのは明らかです。
現状の対策では抜本的な解決にはならず、駅周辺インフラの再整備や立体駐車場の拡充が急務です。
今後は、利用者の利便性と都市計画のバランスを取りながら、柔軟かつ迅速な対応が求められるでしょう。
当記事は以上となります。
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